５月１１日 あれは８年ほど前、家族で・・・

ちょっと怖い話です。

あれは８年ほど前、家族でアパート暮らしをしていた僕が戸建てを購入し引っ越した頃の話です。

新居ではふたりの子供に自分たちの部屋を持たせましたが、当時８歳と５歳の娘たちはまだまだお子様、「パパとママと一緒に寝たい」ということで一番大きな部屋で家族４人、床に布団を川の字に敷いて寝ていました。
仕事が不規則な僕が一番ドア側に、隣に嫁殿、その隣に次女、一番奥に長女、いつも同じ配置で寝ていました。

僕はある時、朝方（だと思う）に物音がして目が覚めました。部屋の隅の方から何か聞こえた気がしたんです。その時は寝ぼけていたのか夢を見ていたのかであまり気にしませんでしたが、それからも物音で目を覚ます日が何度もありました。嫁殿は隣で寝ているし、子供たちも嫁殿の向こうでスピスピ寝息を立てています。音が聞こえてくるのはそっち側じゃなくて、嫁殿や子供たちとは反対側。ドア側の隅っこから

バン！

バン！

と床を手のひらで叩くような音が聞こえてくるのです。

いや、普通に怖いし！

何の音なのか、目を開けて確かめることなんて怖くてできません。見てはいけないものが見えてしまったら嫌じゃないですか。
でもこの音、数回聞こえると鳴りやむんです。僕の意識がはっきりしている時には聞こえませんが、また眠りに落ちると

バン！

バン！

まるで僕の眠りを邪魔するかのように床を叩く音が聞こえます。そんなことがさらに数日続きました。
ところでこの音は僕だけが聞こえているんでしょうか。隣で寝ている嫁殿は気付いているんでしょうか。
ある日、僕は寝る前に嫁殿に話をしてみました。

僕「なんか夜中だか朝方になるとあっちの方（音が聞こえるあたり）からバンバン叩く音が聞こえるんだけど」
嫁殿「え、全然気づかなかった」

どうやら嫁殿は眠りが深いようで音なんぞ一切気づいていないご様子でした。

僕「じゃあ今度、音がしたら起こすから聞いてみてよ」
嫁殿「だが断る」

愛する夫の頼みをジョジョネタで断る嫁殿。よし、次に音が鳴ったら起こしてあげよう。夫婦なんだから健やかなる時も病める時も一緒ですよね。ふっふっふ、震えて待て。

・

・

・

バン！

バン！

聞こえた━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━!

僕「嫁殿、嫁殿！」
嫁殿「むにゃむにゃ」
僕「マンガみたいな寝ぼけかましてないで、ほら音が聞こえたんだよ」
嫁殿「だが断る」

ジョジョネタぶっ込んでくるってことは寝ぼけてねーじゃねえか！

その時、

バン！

バン！

また聞こえた━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━!

僕「ほらね、ほらね！」（嬉しい）
嫁殿「え、何これ？ 普通に怖いし！」

証人ゲット。これで僕の寝ぼけや夢だった説はなくなりました。でも音の正体はわからないし（怖くて音が鳴るほうを見られない）まさか霊的なやつですの？ ポルターガイストですの？ この新居、呪われてるんじゃ……？

続く。